
近年、発展途上国において貧困をはじめとする社会問題が深刻化しています。これらの問題は各地域の個別かつ複合的な要因によって引き起こされており、既存の国際協力の枠組みに囚われない新たな解決方法が求められています。一方、米国に端を発した金融危機により、それまで経済を牽引してきた先進諸国の各事業体はその社会的意義を見直す必要性に迫られつつあります。このような状況下で、途上国貧困層の生活水準や社会の持続可能性の向上に、収益事業を通じて直接寄与する事業アプローチへの 注目が増しています。
日本においても、新たな市場開拓の糸口として、あるいは国際貢献のため、特にその強みである技術力を活かした事業展開が求められています。しかし、地理的に離れた状況下で現地ニーズの把握、制約条件の 特定を行い、商品設計に生かしていくことは容易いことではありません。また、現地でのサプライチェーン・販売網の構築、収益の確保には地域に根差したノウハウが必要であり、現地企業やNGO等のサポートなしに事業を展開することは難しいのが現状です。
一方、途上国における低所得者ユーザー層においては、特定の課題に対する強いニーズがありながらも、技術が不足しているために解決できずにいる状況が散見されます。例えば、牛乳を売ろうにも保存ができないので都市部のマーケットまで売りにいけない。果実を売ろうにも途上国の道路 の振動に耐えうる緩衝材がなく、廃棄ロスが防げない。メガネがなければ仕事ができないが、安いメガネが手に入らない。安全な水によって防げる病気はたくさんあるが、水の浄化を安く簡単にできる装置がない。これらの課題を解決する技術は、その多くが先進諸国では既に存在するものですが、途上国のユーザーからはアクセスできないのが現状です。
このように、日本が持つ技術力と途上国ユーザーのニーズは、お互いが必要としているにも関わらず、情報共有・連携が不十分であるためにつながることがなく、これまで有用な事業化に至ることは稀でした。そこで、日本から途上国の低所得者層の生活水準向上を実現する商品、事業をより多く生み出すことを目的とし、途上国のユーザーと日本の企業・大学のエンジニア・デザイナーが一体となって、ユーザー中心の製品開発・事業構築を行うSee-D Contestを実施するに至りました。

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See-D contestは3つのプログラムにより構成されています。

このフェーズでは、BOP層向け製品アイディア構築の手法を学びたいエンジニア・デザイナーを募集・選抜し、「人間中心設計(Human Centered Design)手法」に基づき、途上国ユーザー層のニーズ発掘から商品アイディアの設計までをサポートするワークショップを開催いたします。ワークショップの重要なマイルストーンとして、8月下旬に東ティモールの村落地帯へのフィールド調査合わせて実施します 。

考案された製品案が本当に必要とされるユーザーに届くようにするためには、モノの製造から流通・廃棄までの生態系のデザインが必要です。一般的なメーカーのように、モノを 製造し、販売・流通するやり方(「ビジネス」アプローチ)もあれば、モノの作り方を広め、 ユーザー自身に作ってもらうことを促進するやり方(「DIY」アプローチ)もあります。 第2部では、「ビジネス」部門と「DIY」部門の両部門を設け、アイディアを持つ応募者の中 からチームを選抜し、メンター制度を通じて、現地のニーズに沿った実現性の高い製品 普及案の設計をサポートいたします。なお、第1部の参加の有無にかかわらず、第2部 からの参加応募が可能です。

このフェーズでは、第2部で選抜された優秀製品アイディアの実用化と製品の普及をサポートします。発案チームに対するサポートの内容として、投資家・パートナー企業の紹介、途上国のパートナー組織の紹介、投資・寄付を募るプラットフォームの提供、実用化と普及に必要なアドバイスの提供、ビジネスプラン作成・実行のサポートなどを検討しています。詳細については、第2部のコンテスト開始時に発表いたします。














